ぽめぇの暮らし

生きています

年の瀬に乳をこねくり回される話

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師走だ。昨年の師走に、全く同じ書き出しで綴ろうとして途中で投げ出した日記の下書きを尻目に、新規作成ボタンを押す。年末はいつも何か書きたくなるようだ。

 

これは特におもしろい話ではない。どちらかといえば気持ち悪い話。乳首が弱い人には、読むことをオススメしない。

 

この12月に入ってからというもの、やたらと乳が張る日々が続いていた。とにかく常に乳が張っている。ぶつかると痛い。概ね原因はわかっていた。毎月の通院が面倒になってオンライン処方に切り替えたため致し方なく飲み始めることになった新しいピル。これまで常用していたものよりホルモン量の少ないそれが、まだ体に馴染んでいないのだろう。

 

キューピーコーワの錠剤を濃いコーヒーとレッドブルで流し込んだあとに即昼寝ができてしまうような身体なのでそんなに繊細なつもりは無かったが、このピルの副作用にどうやらやられているらしい。

 

ピルをやめる選択肢は残念ながらない。血栓症心筋梗塞のリスクが上がると言われようとも、異常な生理周期の乱れと、一瞬ではあれど激しく突き刺すような毎度の生理痛から解放されると思えば受けいれるほかなかった。

1度手指が痺れて恐ろしくなり、完全に禁煙した。これで少しは血管が詰まるリスクも下がっているはず。

 

飲み始めて数カ月はホルモンバランスが安定せず、身体に何かしら変化が起こる場合もあると聞いていた。1シート目は生理がとんで、2シート目は1日で生理が終わるなど少しずつ馴染んできたかな?どうかな?と思ったと同時期にこの乳の痛みが出始めた。

 

最初は気に留めなかった。ホルモンのせいだろうと思った。が、生理がはじまっても終わっても、全く張りがおさまる気配がない。そこで、ちょっと怖くなり病院へ行くことにした。

Google mapを開き、「乳」と検索したが、乳に特化した何かしらのサービスの店などが多数出てきてしまい、違う違うと打ち直す。

こういった場合は乳腺科に行くのが正しいらしいとわかったので、この年の瀬にあいているありがたい病院を探し、予約をした。

 

はじめて乳に関することで病院へかかった。思いの外若くて美しい先生に少し緊張しながら乳を見せ、超音波検査を受ける提案をのむ。

30代なら、よく聞くマンモグラフィというやつでなく超音波でじゅうぶんとのこと。

 

そっか、痛いとウワサのマンモとやらを受けなくてすむのか。少しほっとした。

 

その後、超音波担当の方のもとへ案内された。少し年上の女性が、薄暗い部屋で待っていた。

 

乳を放り出して横になると、何やらあたたかい液体を塗られた。ふむ、ジェルはあっためてから塗ってくれるのか。優しいな。すこし安心したその直後、機械が乳に当てられた。

 

最初は横乳を撫でていた機械が、そのうちに乳首を経由して何度も上下しだした。

真面目な話だが、何というか、あたかも真ん中に何もない、横乳と寸分違わず同じテンションで機械はゴリゴリと上下する。

 

ちょっと伝えるのが難しいが、これがめちゃくちゃにつらかった。すごく痛いわけではない。が、大変気持ち悪い。思い出すだけで吐き気がする。何度も何度も上下する機械。うわーーーーきつい!!!!!早く!!早く終わって!!!と思っていたら、お姉さんの手が止まった。あ、よかった、解放される、と思った瞬間に、今度は機械が左右にゴリゴリ動き出した。

 

信じられない、あんた正気か?その、上下に動かして見えなかったものが左右に動かしたら見えるようになんの???十字移動させないとダメ?私の乳、真ん中って何もついてなかったっけ??え、見えてます?乳首。そんな、何もないていでフラットな面をスライドする感じで動かす???容赦ねぇじゃん。(この辺でちょっと笑ってしまった)

何。乳首ちぎれそう。.........あーはい!!!!!もう取れました!!乳首取れましたね!!!いや感覚あるな?!!大丈夫、取れてないか!!!!え、その動き必要?いやいや、そこさっきもう診たくない?!きつい!!きしょい!!早よ終われ!!と、なかばパニック状態でなんとか最後まで耐えた。

 

乳腺なんてあるからこんなことになる。

生理があるからこんなことになる。

 

難儀だ。そう思いながら、男もちんちんの中に石できたりするんだし、それは大変よな。と思ったりして、

ままならない身体をなんとか現代医学に向き合わせて騙し騙し生きてゆかねばならぬ、人体というバグの塊を呪い、そして同時に生きていることには感謝もしたかったが、全然メンタルがダメでそんなの無理だった。急に横倒しにされたり起こされたり忙しなくこねくられて混乱の渦中にいるであろう乳首を不憫に思い、ただただムカついていた。

 

結局、くまなく診てもらったが何もないねということでおそらくピルの安定待ちだろうという当初の想定通りの結論にて診療は終わった。ホルモンホルモン。年々ホルモンの偉大さについて考える機会が増えている。

 

なんなら現状すこしの不正出血も起きており(ピルの飲み忘れではない)、数年前にじーちゃんが死んだ年末を思い出した。

 

当時私はことあるごとに不正出血に見舞われ、そのたびに過労だと診断されてはうんざりしていた。

その年末、じいちゃんが最期を迎えようとしていた病院の婦人科で、ついでに不正出血を診てもらったら「あー、もうね、これ疲れだよ、疲れ。いまみーんな不正出血でここ来てんの。年末でみんな疲れてんのよ。不正出血祭り。」と、田舎特有のぶっきらぼうな看護師に聞かされた世にも恐ろしい祭りの記憶も、このタイミングで蘇った。

 

あれ以来だから、実に約10年ぶりか。年末不正出血大サービス・ホルモン乱れ感謝祭を一人で開催している。

 

自分の身体というのは、付き合えば付き合うほどにわからなく、わかったと思えばすぐにわからなくなる。

 

が、気持ち悪い思いや痛い思いをしても、数時間もたてばケロリとして飯を食って血をせっせと作っているのも確か。強かなものです。

 

お前も俺も、これからもこの身体とうまいことやっていこう。そして2024年も、楽しくやろう。