ぽめぇの暮らし

生きています

有名人が死んだ時にだけ沸いてくる評論家の何が悪い

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さくらももこが死んだ。

 

大変悲しい。悲しいという言葉では全然足りないくらい悲しい。

 

有名人が死んだら、急にその人のことをしたり顔で語り出す人がいる。SNSとかで。

 

私はそれが結構好き。へーこんな逸話があったのか、とか、なるほど、この人が関わったこの作品はこういう解釈ができるのか。とか、twitterなら更にぶら下がっているリプを読んで、これは真偽が微妙だなとか、ああこんな裏付けがあるのか、とか、色々思いを巡らすのも、好き。

 

あとは、ただただ故人に対する個人的な感情を垂れ流してるのも好き。わかるよ、あるよね思い出、語りたいよな、と理解し共感できることが多い。

 

さくらももこの話に戻るけど、多くの人にとってそうであったらしいように、私にとってもさくらももこは、あらゆる面で多大な影響を与えてくれた人。だから訃報にびっくりしたし、悲しかった。と共に、色々思い出したので、特に内容の無いメモだけど、みんなと同じように思い出を書いてみた。

 

漫画もアニメも好きだが、一番はエッセイ。小学校の頃、入院していた時期があり、そのとき母親が持ってきてくれた何冊かの本の中にさくらももこのエッセイがあった。難しい言葉は一つもなく、全体がリラックスした文体で、水を飲むようにさらさらと読めた。

 

ちびまる子ちゃんは好きだけど、あの人文章も書くのか。いいな。こういうの書けて暮らせたら楽しそう。もともと作文が好きだったので、感化され、入院中の出来事を文章にしてみたりもした。それで、リラックスした状態で読めるリラックスした文章を書けるのって才能なんだな。と感じた記憶がある。

 

退院してからも自宅にあったさくらももこの本を読み漁った。さるのこしかけ、もものかんづめ、あのころ、まるこだった、ももこの話。。。

 

特に、ももこの世界あっちこっちめぐりという本は何度も何度も読み返した。

 

さくらももこが雑誌の企画で世界各国を旅し、そのレポを写真と共にまとめた本。

 

特にフランスとイタリア、インドネシアの回が良い。フランスは、核実験をしたあとだったからかなり印象悪かったけどある目的を達成したいからと渋々行くことにした、みたいな導入で、そういういちいち批判的だったり懐疑的だったりするところや、それをストレートに伝える彼女のスタイルも好き。

 

フランスではピエールラニエというメーカーの時計を、イタリアでは高価なベネチアングラスなんかをとにかく買いまくるんだけど、その話と綺麗な購入品の写真のページを穴があくほど見た。自分で稼いで自分の好きなものを買う大人に憧れ、早く自分の稼いだ金で海外というものに行きてぇ、と強く思った。

 

インドネシアでは、山奥の集落にものすごい絵のうまい人達が住んでいるという情報を聞きつけ、訪ねて行ってアリミニさんという女性の絵を買うのだが、写真で見たその絵がめちゃくちゃに素敵で、そのページは色が剥がれるほど見た。世の中には知らんことが、知らん人が、知らん物がいっぱいだ。

 

で、大人になって、自分の金でフランスとイタリアに行った。ベネチアングラスもこの目で見た。とても手は出なかったけど、あの頃の、稼いで海外行きたいという夢を実現できただけで幸せだった。

 

小学校の時、私は入院するのが大好きだった。具合は悪くても、誰からも文句を言われずに大嫌いな学校を公に休めるなんて幸せすぎるし、永遠に入院していたいと常に思っており、退院が決まると鬱になっていた。今だって小学校時代以上に毎日休みたい。怠惰なまる子は、風邪で学校を休んだ日がいかに天国かというのを再認識させてくれた。休みたいでしょ、みんな。と、特にあてどころのないようなメッセージをふわふわ撒いてくれた。

 

当時は世の大人から批判とかあったのかな、とふと思う。だとしても、大人が力を集結させて世に出した作品の中から、ダラダラしたいとかサボりたいとかの感覚を持つのは子供だって大人だってよくあることだろうが、ってメッセージを勝手に感じて受け取って、少なくとも当時の私は大いに安心できた。

 

あとはいきもの図鑑も大好き。当時この本を読み、まだ見ぬゴキブリという虫に思いを馳せていた。漫画ならちびまるこちゃん番外編みたいなやつで、成長したももこが初めてディスコに行く話が好き。コジコジも好き。

 

装丁という言葉も、電グルも、ハレクラニのクロワッサンも、ちあきなおみも、紹興酒に砂糖を入れると美味いらしいことも、オランダでは安楽死が認められてることも、全部さくらももこの本から覚えた。エッセイのヒロシの替え歌の回は息が止まるほど笑った。タバコは百害あって一利無しとか酷い言われようだけど、「何もしてない人」が「タバコ吸ってる人」に変身できる点だけをとってみても既に一利以上あるだろうが。みたいな話も好きだった。

 

色々思い出して脈絡無く書いてスッキリした。文章を書くことの良さも勝手に教わった気でいる。帰省時にまた彼女の本を読み返したい。

 

・このブログの本題、食べ物について

最近我が家で宅配弁当サービスを利用し始めたために毎回同じ内容になりそうなので一旦やめてますが、弁当以外の日の記事はまた書きたいです。